「年収400万円なら、〇〇万円まで借りられますよ」
住宅会社や銀行で、こんな説明を受けたことはないでしょうか。
一見すると分かりやすく、安心できる言葉ですが、
建築士として多くの施主さんを見てきた立場から言うと、
この考え方は非常に危険です。
実際に、
- ローンは組めたけど生活が苦しい
- 旅行にも行けなくなった
- 修繕費が出せない
という声は、決して少なくありません。
この記事では、住宅ローンを「年収」だけで決めてしまうと
なぜ危険なのか、そして本当に考えるべきポイントを解説します。
「借りられる額」と「返せる額」はまったく違う
まず、絶対に知っておいてほしいことがあります。
銀行が見るのは主に、
- 年収
- 勤続年数
- 雇用形態
- 他の借入状況
です。
つまり、「返済できるか」ではなく
「貸しても回収できそうか」という視点です。
生活の余裕までは考えてくれません。
年収倍率という考え方の落とし穴
住宅ローンの目安としてよく使われるのが、
「年収の5〜7倍まで借りられる」
という考え方です。
例えば年収500万円なら、
2,500万〜3,500万円程度という計算になります。
しかしこれはあくまで借入上限の目安です。
実際の生活費は人それぞれ違います。
- 子どもの人数
- 教育費
- 車の維持費
- 保険
- 老後資金
これらを無視して年収倍率だけで決めると、
住み始めてから苦しくなります。
見落とされがちな「住んでからかかるお金」
家を建てると、住宅ローン以外にもお金がかかります。
代表的なものは、
- 固定資産税
- 火災保険・地震保険
- 修繕費・メンテナンス費
- 外構の補修
- 家電の買い替え
特に築10年、15年を過ぎると、
まとまった出費が発生します。
ローン返済で余裕がないと、
このタイミングが非常に苦しくなります。
ボーナス払いに頼るのは危険
営業の現場では、
「ボーナス払いを入れれば月々は楽になりますよ」
という提案をされることがあります。
確かに月々の返済額は下がります。
しかし、
- ボーナスは保証されていない
- 会社の業績次第で減る
- 転職すると条件が変わる
というリスクがあります。
実際に、ボーナスカットで
返済が苦しくなった家庭も少なくありません。
ローンは毎月返済だけで成り立つ計画が理想です。
本当に考えるべきは「月々いくらなら安心か」
住宅ローンで一番大切なのは、
です。
目安としては、
- 手取り収入の20〜25%以内
に抑えられると、生活の余裕が保ちやすいと言われています。
例えば手取り月30万円なら、
- 6万〜7.5万円程度
この範囲であれば、将来の変化にも対応しやすくなります。
住宅ローンで後悔する人の共通点
現場で多かったのは、次のようなケースです。
- 借りられるだけ借りた
- 家を優先しすぎた
- 将来の支出を考えていなかった
結果として、
「家は気に入っているけど、生活が苦しい」
という状態になります。
家は幸せになるために建てるものです。
生活を圧迫してしまっては本末転倒です。
建築士として伝えたい本音
最後に一つ、強くお伝えしたいことがあります。
少しコンパクトにするだけで、
ローン負担が大きく変わることもあります。
無理をしない家づくりの方が、
結果的に満足度は高くなります。
まとめ
- 年収だけでローン額を決めるのは危険
- 借りられる額と返せる額は違う
- 住んでからの費用も考える
- ボーナス払いに頼らない
- 月々の安心額から逆算する
住宅ローンは「通るかどうか」ではなく、
「安心して暮らせるかどうか」で考えることが大切です。
家を建てたあとも、
家族が笑って暮らせるようなローン計画を立ててください。


